令和6年度 第1回「こまつリビングラボ」がスタート!テーマは「ライブラリーテーマを考えよう!」
令和6年8月4日(日)に、令和6年度の第1回「こまつリビングラボ」を開催しました。小松市では、令和5年度よりリビングラボに取り組んでいます。
今回は、子どもから大人まで80名を超える過去最高の参加者数・・・!
これまでは、会場の準備や受付に公立小松大学の学生の皆さんにご協力いただいており、今回からは、司会も市民の方に務めていただきます!
記念すべき第1回目は、子ども司書としても活躍中の小学6年生の伊藤梨奈さんです!
冒頭には、宮橋市長よりご挨拶をいただきました。
「今回、過去最高の参加者数であり、初参加の方も多く、令和3年度から取り組んできた未来型図書館づくりが多くのみなさんに関心を持っていただいているプロジェクトであると実感している。」
「これまでは基本構想や事業方針の作成などに取り組んできたが、今年度は、未来型図書館の機能・サービスや運営、整備手法、開館までのスケジュールなどを具体化させる「基本計画」の策定に取り組む。」
「芦城公園を中心に整備をしていくという方針を示しているが、長きにわたり市民の皆さんに親しまれてきた公会堂や博物館は、当初より未来型図書館に集約・再編する方針であったが、本年1月に発災した能登半島地震により、公会堂や博物館も被害を受け現在は利用を停止している。今後、両施設については、先行して解体する予定である。」
「いよいよ芦城公園の景色が変わる時が来ており、未来型図書館の建設によって小松市にとっても大きな転換期を迎えることになる。市民の皆さんに引き続き関心を持っていただきながら、対話を通じて未来型図書館づくりに取り組んでいきたい。」
とのご挨拶をいただきました。
続いて、リビングラボのコーディネーターを努めていただいている、青山学院大学の野末俊比古教授からも一言ご挨拶いただきました。
野末教授のご挨拶の中で、これまで日本全国で最高気温35度を超えたことがない都道府県はどこかというクイズが・・・みなさんどこかわかりますか?
なんと、「沖縄県」だそうです!ですが、とうとう今年、35度を超えたとのこと。「日本全国、まだまだ暑いので熱中症に気をつけて、楽しく取り組んでいきましょう!」とのご挨拶をいただきました。
続いて、事務局より、昨年度とりまとめた「未来型図書館の整備に向けた基本的な考え方(事業方針)」についてご説明しました。
説明資料は、下記よりご覧いただけます!
https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/1009/seibi/16623.html
続いて、今回のワークショップに入る前のミニレクチャーとして、アバターのリーマンさんと、野末教授からお話いただきました。
<リーマンさんより>
・ライブラリーテーマを考えるにあたって、「本」は紙だけに限らない。紙の本ではない本というと「電子書籍」や「オーディオブック」「ウェブの文章や画像」「ゲーム」などが挙げられる。他にもどのような「紙の本ではない本」があるか、野末教授に聞いてみよう!
<野末教授より>
・「読む」ことについて考えてみると、五感の視点で考えると、目で読む行為のほか、触る本(飛び出す絵本など)や聞く本(オーディオブックや読み聞かせなど)、嗅ぐ本などもある。また、動画の字幕や説明書、写真集なども私たちは日頃から読んでおり、「読む」という行為や役割が拡がっている。
・「読書(読むこと)」は「目的としての読書(好きな小説を読むなど)」と「手段としての読書(仕事で使うデータを探すなど)」の大きく2つに分けられる。「読書」や「本を読む」と聞くと、意識しないままに前者または後者に限定したイメージで議論してしまうことがあるので、この2つの視点を整理しておくと議論しやすくなる。
・本を読むことによって私たちは一歩成長する(学ぶ)。そして、図書館には様々な資源(4つの資源)があり、小学校の教室や授業を例に考えると以下の4つに分類できる。
1.教材(教科書や副教材など)は「情報資源(図書館で考えると本や雑誌など)」
2.教具(黒板やノート、鉛筆、お道具箱など)は「物的資源(図書館で考えるとパソコンや文房具など)」
3.教室(スペース(イス・机などを含む))は「空間資源(図書館で考えると図書館という場所・空間)」
4.教師(図書館員など)は「人的資源(図書館で考えると図書館に関わるみんな)」
4つを上手く組み合わせることで学びが効果的・効率的になり、図書館には、これら4つの資源が揃っており私たちの学びや成長を支えている。
・今回のワークショップのテーマ「ライブラリーテーマ」を考えるにあたり、「本」に限らず、四つの資源を上⼿く組み合わせたテーマ(棚づく
り)をイメージすると図書館の可能性や拡がりが出てくる。
といった、ライブラリーテーマを検討するうえで大切なポイントについて丁寧にお話いただきました。
続いて、野末教授のショートレクチャーの後には、事務局よりワークショップの進め方について説明を行いました。
このリビングラボの特徴となりつつあるのが、ワークショップの説明時に行っている事務局(市の職員)による小芝居です。
参加者の皆さんに少しでも楽しく、わかりやすく伝えるため行っていますが、毎回楽しみにしてくださっている方もいらっしゃるのだそう。
これからも職員オリジナルの小芝居を是非、楽しみにしていてください!
説明の後は、7グループに分かれてワークショップを行いました。
まずは、一人ひとりがライブラリーテーマの元となるキーワード(小テーマ)を参考資料なども踏まえて考えました。
個人ワークの後には、グループ内でそれぞれが考えたキーワード(小テーマ)を共有し、対話を通じてグルーピングしながらライブラリーテーマを仕上げていきました。
また、ワークショップの間には、今回もミニ実証実験(体験会)を開催!
三谷産業株式会社様とNES株式会社様にご協力いただき、「空間再現ディスプレイ(製品名:SONY ELF-SR2)」を参加者の皆さんに体験いただきました。
「空間再現ディスプレイ」は、恐竜や建物の断面図、車両等のコンテンツが立体的な映像として目の前に飛び出てくるのです!!体験された皆さんからは、「わあ!!」「すごい!!」など、初めての体験に驚きの声があがりました。
このような最新技術が、今後、未来型図書館の中でどのように活用されていくのか楽しみですね!
ご協力いただいた三谷産業株式会社様、NES株式会社様、ありがとうございました!
そして、ワークショップの最後には、各グループが考えたライブラリーテーマの全体共有を行いました。
各グループが考えたライブラリーテーマの詳細は下記の市ホームページよりご覧いただけます!https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/1009/shimintotomoni/livinglab/16884.html
全体共有の後には、野末教授と宮橋市長より講評をいただきました。
<野末教授より>
全国のライブラリーテーマは図書館側で選んでいるものが多く、今回のような市民の皆さんが考える、皆さんから出てきたアイデアなどに基づいて検討することは全国的にも珍しい取り組みであると思う。使いたい皆さんが考えること、皆さんのための施設を皆さん自身が創るということは図書館の本来の姿である。まさに今日のワークは市が掲げる「市民と共に創る未来型図書館づくり」が現れていた。
<宮橋市長より>
これまでは何か用意されていたものを使っていくことが基本だったが、公共施設は市民の皆さんが主体。市民の皆さんが自分たちの思うテーマで、こういう風に図書館を創っていきたい、使っていきたいという思いが大切。引き続きリビングラボにおける対話の場を大切にしていきたい。また、市ではファシリテーター養成講座にも取り組んでいる。こういった対話の場をリードする方もしっかりと育てていきたい。
とのご講評をお二人よりいただき、第1回リビングラボは終了しました!
今回の第1回リビングラボで実施した「ライブラリーテーマ」のワークショップは、8月22日(木)の19時より、オンラインでも開催するほか、第2回リビングラボは9月8日(日)の13時30分より開催します。
詳しくは、市ホームページをチェックしてください!
https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/1009/shimintotomoni/livinglab/16884.html
今年度の第1回リビングラボにご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!リビングラボは初参加の方も大歓迎。
オンライン開催や第2回リビングラボのご参加を心よりお待ちしています!!