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「本が好き 人が好き 稚松小学校図書委員会」

未来型図書館の場所が芦城公園近辺になったということで、私たち図書館エディターは、その付近の方々へインタビューをすることに決めた。近隣に住まう方の「歴史」や、「図書館や本への想い」を伺うことは今後のエディター活動のために必須だと思ったからである。

エディター各自が希望の取材候補を挙げていく中で、私は真っ先に、「稚松小学校の生徒さん」を推薦した。未来型図書館の恩恵を最も被るのが近隣の子供たちであることは間違いなく、その子たちの想いを汲み取ったエディター活動を実践したいと思ったからである。

そして今回、稚松小学校を代表して4名の図書委員会の役員さんにインタビューをさせてもらうことが出来た。図書館エディターとしては私を含めて3名のアラフィフメンズで伺ったので、生徒さんは緊張するのではないか?と思ったが、まったくの杞憂であり、堂々と自身の想いを語ってくれた。

この姿に「この子たちがいるなら、未来の小松も安泰だ。」という気持ちを持った。

「小松市の未来を支えてくれる稚松小学校図書委員会の役員さん。
堂々とした姿がとても頼もしい。」

■ 稚松小学校の歴史について
実は私も卒業生なので、基本的な歴史については知っている。
・明治6 年に「女児小学校」として開設された。ちなみに「男児小学校」は芦城小学校だそうだ。今年で節目の1 50 年目を迎える。
・校歌の初めの、「しおらしき名や小松吹く萩すすき」は松尾芭蕉が小松を訪れた時に詠んだ句である。
・学校名の由来となった赤松が正門にある。

■ インタビュー内容について
さて、ここからは、実際にインタビューをした内容について伝えていきたい。
事前に、次の3 つについて聞かせてほしい旨を伝えてあった。
それぞれの役員さんごとに、その回答をまとめて記載する。
① 稚松小学校の魅力
② お勧め本
③ 未来型図書館について希望すること

■ 図書委員会 委員長さん

まずは委員長さんだ。とてもハキハキとした受け答えで、頼もしさもあり、
リーダーシップを感じた。好きな食べ物は「うどん」だそうだ。

① 稚松小学校の魅力
・全校のみんなが元気に挨拶を交わしてくれること。

② お勧め本
・ライバル・オン・アイス 吉野 万理子著 講談社

内容
「ある少女がフィギュアスケートを習うことになったが、意地悪をするライバルがいたり、1 番をとらないとその教室を辞めなくてはいけなかったり、多くの困難に立ち向かっていくストーリー。」
委員長自身も、主人公の努力する姿に大きな勇気をもらえたそうだ。ニコニコして説明してくれる姿が印象的だった。

③ 未来型図書館について希望すること
・とにかく雰囲気が明るいこと。
・本を読むスペースがたくさんあって、その日の気分で座る椅子や場所を選ぶことが出来ると嬉しい。

■図書委員会 副委員長さん

次に副委員長さんに聞いてみた。常に落ち着いた雰囲気で、委員長との信頼関係も厚いようで、
頼りになりそうな生徒さんだ。好きな食べ物は、「チョコレート」だそうだ。

① 稚松小学校の魅力
・とにかく挨拶が元気であり、学校をあげて頑張っている8 の字跳び( 縄
跳び) が得意なのでチームワークも良いと思う。

② お勧め本
・いみちぇん! ! あさば みゆき著 KADOKAWA

内容
「書道が好きな主人公の小学生男女ペアが、言葉の邪気を払って人助けをするストーリー」
副委員長さんは、主人公のとにかく友達想いのところに、深く感動したそうだ。きっと副委員長さんも同じように、友達想いなのだと感じた。

③ 未来型図書館について希望すること
・広くて明るい雰囲気。
・集中して読書ができるような静けさ。
・気軽に何でも相談できて、探している本の場所などを優しく教えてくれて、またお勧め本
があれば、優しく教えてくれるような司書さんにいてほしい。

■図書委員会 書記さん

そして書記さんだ。宮沢賢治を愛する文学少年という雰囲気だった。深い読解力に驚いた。
好きな食べ物は「バニラアイス」だ。

① 稚松小学校の魅力
・全学年とも、明るい挨拶が出来ること。

② お勧め本
・注文の多い料理店 宮沢賢治著 杜陵出版部・東京光原社

内容
「山奥にある不思議な料理店に二人の猟師が迷い込んで、恐ろしい目に合うストーリー」
書記さんは、この本の面白い点は、「自分たちが料理にされることに気づかずに、山猫の化け物からの多い注文を、楽観的かつ前向きに解釈する猟師の豊かな想像力」だと解釈していた。大人顔負けの理解力だった。

③ 未来型図書館について希望すること
・心地良い音楽が流れていること。

■図書委員会 書記さん

最後は、もう一人の書記さんだ。終始、笑顔を絶やさず、丁寧な受け答えをしてくれて、
場を明るくする力を持っていると感じた。好きな食べ物は、ピザだそうだ。

① 稚松小学校の魅力
・それぞれのクラス内で協力しあうこと。
・話を投げかけた時に、聞き手はしっかりと頷いてくれるので、とても話しやすい環境である。

② お勧め本
・5 分後に意外な結末 オムニバス 学研
内容
「5 分程度の時間で読めて、ラストにはあっと驚く結末のストーリー。泣き、笑い、恐怖など多様なシリーズが存在こちらの書記さんが特に好きな内容は、怖い話だそうで、読んでいくうちに恐怖感でゾクゾクできるし楽しめるものになっているそうだ。インタビュー後、私も書店で立ち読みしたが、確かに背筋が寒くなった。

③ 未来型図書館について希望すること
・本だけではなく漫画や雑誌も置いてほしい。
・暑い日にクーラーの利いた図書館内で、リラックスしていろいろな紙媒体を手に取りたい。

■ フリートーク インタビュー
役員さん4 名の受け答えがあまりにも素晴らしく、スムーズに進んだため、事前に提示した質問だけでは時間が余った。そこでフリートーク内でのインタビューを試みた。誰でもいいので、答えを思いついた役員さんが回答するというやり方だ。こちらのインタビューでも、積極的に回答がなされた。

● Q. 稚松小学校で人気がある本はどのようなものか?
     A.委員長より

サバイバルシリーズ、お化け図鑑、ほねほねザウルス

● Q. 皆さんが思う、最高の読書スタイルとは?
     A. 書記さんより
自分だけの空間で、周りの目や時間を気にせず、好きな音楽を聴きながら、本を読むスタイル。もしも未来型図書館に個室があるなら、ぜひ使ってみたい。

● Q. もし、未来型図書館にある一部のエリアを、図書委員会さんが受け持つことになったらどんなコーナーを作ってみたいか?

A1. メンバーの皆さんより
部屋ごとにテーマを持たせたエリアを作ってみたい。例えば、怖さ特集部屋とか、元気部屋など。部屋ごとにBGMや香りも変える。

A2. 副委員長より

とことんリラックス出来るコーナーを作ってみたい。例えば、個室内にゆったり座れるソファと、音楽を聴けるイヤホンなどを完備させる。

A3.書記さんより

漫画がたくさんあるエリアを作ってみたい。
真面目な本ばかりだと、あまり子供たちが来ないかもしれないが、手に取りやすい本もあれば、
多くのお客さんが来ると思う。

■ インタビュー終了後
全員が、驚くほど受け答えがしっかりしており、さすが図書委員会の役員さんだと感じた。インタビューはスケジュール通り、完璧なタイミングで終了した。記念撮影をお願いしたら、快く応じてくれた。

後方の左から4名が、稚松小学校図書委員会役員さん。
知的で落ち着いた雰囲気にびっくり

■ インタビューの総括
稚松小学校は、とにかくみんなが元気で挨拶をしていて、会話が楽しいと思える雰囲気の学校のようだ。

役員さん同士も仲が良く、本の話などで盛り上がっている時間もあった。お勧め本についても、内容が面白いだけではなく、自分自身が大切にする信念や生き方に照らし合わせたうえで、この本がおススメ! と決めている感じがして、素晴らしいことだと思った。

未来型図書館に対する希望についても、心から本を愛する人が願うであろう具体的な要望ばかりであり、今後、未来型図書館の最も利用頻度が高いユーザー候補の想いを聞けたことは、貴重な出来事であった。ぜひ、この声をしっかりと汲み取ってくれる未来型図書館作りが実現されることを願う。

このインタビューを通じて感じたことは、「本が好きな児童は、自分のことも友達のことも大切に出来る子が多い」ということだ。語弊があるかもしれないが、「本が好き → 人が好き」ということだろうか。

私自身も、もっと本を読み、周りの人たちに対して寛容でありたい。

■ 最後に 稚松小学校 教頭先生

今回のインタビュー活動に同席してくださった教頭先生穏やかな雰囲気の先生で、図書委員会の生徒さんからも、とても慕われている様子だった。好きな食べ物は、ソフトクリームだそうだ。お忙しいところ、同席頂き、ありがとうございました。