第4回「未来型図書館を共に創る!こまつリビングラボ」を開催!
令和5年12月10日(日曜日)に第4回「未来型図書館を共に創る!こまつリビングラボ」を開催しました。
今回も子どもから大人まで約60名のみなさんにご参加いただきました。
リピーターの方に加え、毎回初参加の方も多くいらっしゃいます!
冒頭にコーディネーターの青山学院大学教授の野末俊比古先生にご挨拶いただいた後、先日11月に発表した「未来型図書館の整備に向けた基本的な考え方について」事務局より説明を行いました。
説明資料については下記市ホームページよりご覧いただけます!
https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/1009/15221.html
続いて、これまでのリビングラボの振り返りと今回のワークショップの内容について参加者のみなさんと確認しました。
今回のテーマは
「未来型図書館と周辺との連携やまちの回遊性の方策を考えよう!」
これまでは、未来型図書館の機能・サービスを具体化させ、施設のゾーニングを考えてきました。今回は、未来型図書館と周辺との連携や新幹線が開業する小松駅・小松運動公園周辺との回遊性方策をみなさんと一緒に考えることに!
回遊性を考える理由としては・・・
・小松市は、町人文化の象徴である曳山や町家、神社仏閣等の町並みなど多
くの地域の文化資源が集積している
・駅前商店街などにおいても、地域が主体となった新たなイベントや新幹線
開業を見据えた新規店舗の出店など賑わいづくりの動きが活発化してきて
いる
・未来型図書館は、ビジョンである「こまつを編む」「こまつを巡らす」の
もと、まちの「人・モノ・コト・場所」をつなぎ、新たな価値を生み出し
ていく役割を担う
・未来型図書館ができる前からみなさんと共に考え、挑戦していきたい!
そういった思いから今回は「回遊性」をテーマに行いました。
回遊性が高まると、まちの魅力も高まり、新たな活気と賑わい創出につながることが期待できます。
そして、今回は小松市内で回遊性創出につながる取り組みを行っていらっしゃる方々にも事例発表いただきました。
まずは、「中学生画家」で知られる辻観誠さん。
今年の夏に「KANSEI EXPO’23」を開催。北國とおり町で、夏休み中に実施した「まちアート活動」であり、期間中は、これまでの絵画作品(複製)を飾ったり、商店主さんにインタビューをして聞き出したことを、絵で表現するため公開制作を行ったりしたそうです。エリアは、北國とおり町(龍助町・西町及びその周辺地区)の6つのお店で、全てを歩いてまわると約1キロであり、20分ほどで回れるとのこと。
今回の取組みにより、まちのみんなとも仲が深まり、まちアートに来てくれた人同士が楽しくお話をしていたので、とても嬉しかったそうです。
続いて事例発表をしてくださったのは、二木 裕子さん。
地元今江町で絵本を通じて様々な人や場を繋いでいらっしゃいます。
今回ご紹介いただいたのは「旅する絵本図書館」。
「歩いて行けるいろいろな場所に「本」があったらいいな」
「本を仲立ちに人と人がつながれたら・・・」という思いから「旅する絵本図書館 」を令和3年に開設されました。
「旅する絵本図書館 」は小さな私設図書館で、無料でいろいろな場所に絵本箱を設置しており(現在は3箇所)、図書カードやノートに記入して貸出しを行っています。
利用者の方からは、
「地域の方や近所の人と「絵本」を仲立ちに会話が弾む」
「いつでも歩いて行けるところに「本」と出会える場所がある」
などといった声をいただいているそうです。
お二人の素晴らしい活動紹介に会場からは大きな拍手が送られました!!
辻さん、二木さん、ありがとうございました!
続いて、参加者のみなさんと、改めて小松市の地域資源を再確認しながら、連携・回遊性方策のアイデアを考えるワークショップを行いました。
そして、今回もワークショップの間に民間事業者様のご協力による実証実験を行いました。
今回は・・・NTTコミュニケーションズ株式会社様や富士通Japan株式会社様、三谷産業株式会社様のご協力による「顔認証技術」の体験!参加者の皆さんの年齢予測や笑顔指数などを測定しました。
こういった技術を活用して、「顔認証×AI蔵書探索」といったサービスも可能だそうです。
参加者の方からは、
「精度が高くてびっくり!」「利用シーンがたくさんありそうで楽しみな技術!」など、とても楽しく体験させていただきました。
そして、株式会社会議録研究所様からも、透明ディスプレイパネル「レルクリア」を貸出していただき、コーディーネーターの野末先生の挨拶やグループ内での対話をテキスト化し、ディスプレイ上への投影を行いました。多言語化も行うことができ、言語のバリアフリー化を図れるツールです。みなさんからは、その精度の高さに驚きの声が挙がっていました。
実証実験なども行いつつ、今回のワークショップではたくさんの回遊性方策のアイデアが生まれました!
ソフトやハードに分けて、様々な視点からみんなで対話を通じて模造紙にアイデアをまとめました。
※全グループのアイデアなどは、市ホームページで開催報告として掲載しています
https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/1009/livinglab/15157.html
全グループの発表後には、野末先生より講評をいただきました。
野末先生からは、
「未来型」については、特別なものなどが未来型ではないと思う。みなさんにとって、これから創りたい「まち」や「生活」がどういうものなのかということであり、それはもしかするとオーソドックスなものかもしれないし、とても珍しいものかもしれない。でも、それはみなさんが考えることであって、こうやってみんなで創っていくことがとても大事。
私が興味を持ったのは、 これだけの資源が地域にあること。人も、ことも、場所も。これはとってもすごいことで、地域の資源というと、珍しいものや特別なものという連想をしてしまうが、決してそのようなことだけではない。普段の生活の中に密着しているものこそとても大事で、むしろそれをどう活かしていくかを、今日みなさんに考えてもらった。もしかすると古いと思っていたものが「レトロ」であって、それが資源になるかもしれない。
そして、資源の中でも1番大事なのは、やっぱり「人」。これだけの人が集まって、それぞれ経験も年齢も職業も能力も発想もバラバラな中で、みんなでいろんなものを持ち寄って気づくこと、違うものを持ち寄って、それがこのリビングラボの場で集約されてより良いものになる。それこそが「未来型」ではないか。議員の方や小学生、市役所の方もみんなが同じテーブルで同じ立場で話していること自体、全国的に非常に珍しく、市長自身も毎回参加をされているのは、全国でおそらく小松市だけではないかと思う。
また、今日はたくさんのアイデアが出たが、未来型図書館の開館を待たなくてもできることもあるかもしれない。ちょっとした工夫や、あるいはちょっとした努力で、ちょっとした知恵で、今からでもできるかもしれない。これが「市民協働」というが、みなさんが 生活の中で、もう少しこうしたらいいなということを、持ち寄る機会になっていると思う。ぜひ開館前の今から、そして開館してからも取り組んでほしい。みなさんがやりたいこと、やるべきことを、未来型図書館を通じて実現するということが本当の狙いだと思うので、ぜひそうなって いくように私も全力でサポートしたい。
研究者として、1つだけ最後にまとめをすると、今日は、たくさんのアイデアが出たが、それを実現するには、 お金も人も必要。そういう時に、公だけで取り組むには限界があり、そこを解決する策は2つしかない。
1つは、テクノロジー。例えば、カードでいちいち手続きをしなくても、顔認証ですっと行けば、その分みなさんスムーズに手続きができるし、テクノロジーをうまく使っていくことが大事。もう1つは、「協働」。みんなでやりましょうということ。役所だけがやる、その担当の人だけがやるのではなくて、みんなで少しずつ知恵と能力と体力とお金などを、ちょっとずつ出し合ってみんなで創っていくことが大事。良いものを創って、よりうまく育てていくということ、 それがもうこの場で実現できているということが、本当に素晴らしい。
との講評をいただきました!
そして、最後に宮橋市長よりご挨拶いただきました。
冒頭、別の公務のため遅れて参加したが、入ってくるなりみなさんが、賑やかに、様々なことを話している姿を見て本当に嬉しく感じた。特に今回は、どちらかというと、未来型図書館づくりというよりも、まちづくりの話をしていただいたと思っている。小松のまちの資源を考えてもらったり、それをどう活かしていくか、それらをいかに巡ってもらえるかということを、未来型図書館づくりをきっかけに、まちづくりについてみんなで一緒に考えることができたことが嬉しい。こういうプロセスが、小松市がこれからまちづくりを進めていく上で、大事にしたいことだと思っており、こういうやり方を未来型図書館づくりに限らず取り組んでいきたい。
今年度のリビングラボで出たアイデアや意見についても取りまとめていき、今後はより具体的な、基本計画策定に入っていく。改めて、未来型図書館を創るというよりも、 まちづくりが大事であることを今日感じさせていただいた。このリビングラボを通じて、未来型図書館づくり、そしてまちづくりをさらに進めていきたいと思う。
また、「2040年ビジョン」を先日の議会にてお示しをした。その中で、「ワンランク上の生活空間あふれる小松」という都市像を定めており、少しでもみなさんの生活が良くなっている、今よりもワンランク上の生活空間、例えば、デジタル技術の活用や趣味の充実などいかに「QOL」を高めていくかが大事であり、その中の1つに、この未来型図書館づくりを位置づけている。
この未来型図書館づくりを通じて、これからのまちづくりについて考えていけることは本当に素晴らしいことであり、小松市の大きな強み、様々なことを取り組む上での強みになってくると思う。
今回、未来型図書館の整備に向けた基本的な考え方についてもお示しをした。その中で、公会堂については、64年もの歴史ある小松市の文化の中心となる場所であり、市民のみなさんそれぞれが様々な思い出がある施設だと思っている。中には、公会堂で演奏したり舞台に立ったり、 あるいは、有名人を見に行ったりなどそれぞれに思い出がある。名残惜しい気持ちも当然であるが、老朽化した状態を続けておくわけにはいかないという思いもある。長寿命化ということができればいいのかもしれないが、 非常に難しくほぼ不可能な施設である。今回は、解体して、そこの敷地をうまく利用して、新しい未来型図書館、複合施設を創るという大きな方針を示した。60年間親しまれてきたものを次の60年後、100年後に向けて、この令和の時代にみんなで話し合い、公会堂のように愛着を感じてもらえるような施設を目指していきたい。
来年度以降も、より具体的な計画作りの中で、引き続きみなさんに参画していただきながら今後のまちづくり全体について一緒に考えていきたい。
とのご挨拶をいただきました。
第4回にもたくさんの方にご参加いただき、楽しく終えることができました。次回第5回は2月の開催を予定しています!ゲストもお招きして、小松らしいリビングラボのあり方、市民共創によるまちづくりについて考えていきたいと思います。
引き続き、みなさんのご参加をお待ちしております!!