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「いきいき・わくわく!!みんなでつくる図書館ボランティア」

新しい図書館が芦城公園周辺にできることが決定した。図書館エディターこまつオルワ’s として、公園周辺の魅力的な施設や人を取材することが決まった時に真っ先に思い浮かんだのが、私が所属している稚松小学校図書ボランティア「ひまわりさん」の面々だった。魅力的な人たちばかりで、毎回児童向けにおはなし会の企画を練り、練習に励み、本番を楽しんでいる姿を見ていると、一人ひとりのことがもっと知りたくなった。

そこで残暑厳しい9月の半ばに、稚松小学校図書ボランティアの方々とお話する機会をもった。場所は市役所の7階会議室。来て下さったのは、内藤雅美さん、太田智加さん、大久保祐子さんの3人。彼女たちがボランテイア活動を通して、何を感じてどう思っているのか、その辺のことが知りたくてさっそく座談会が始まった。

和やかな雰囲気で始まった

まず内藤さん。今年ボランティア 2 年目で小学校 2 年生の娘さんのお母さん。元保育士で、絵本の知識やおはなし会の経験が豊富で、子どもたちに読み聞かせるのが根っから好きな絵本通。

内藤雅美さん

次に太田さん。ボランティア 5 年目で小学校 2 年生の娘さんと 5 年生の息子さんのお母さん。ボランテイアを通してすごいことをしようと思っているわけではなくて、自身が皆と一緒に遊びたいと思っているそう。

太田智加さん

最後に大久保さん。ボランティア 2 年目で小学校 2 年生の息子さんと 4 年生の娘さんのお母さん。奈良県出身で、9 年前にご主人の転勤でこちらに来て、地元の人の温かさに魅了されて太田さんに勧められるままボランテイアに取り組み始めた。

大久保祐子さん

3 人のお話を聞いていると、皆、人に接するのが好きなんだなと思った。児童対象のおはなし会の流れとして、まず打ち合わせから始まり内容を決め練習を重ね本番を迎えるのだが、その過程でボランティア同士のコミュニケーションが欠かせない。普段の打ち合わせや練習を見ていると、3 人とも嬉々として率先して関わっており、活動を楽しんでいる様子が伝わってくる。最初から人と交わるボランティア活動に興味があったのだろうか。

志望動機は3 人とも、わが子のためにとの思いから始めたようで、それが活動を続けるうちに少しずつ変化してきたようだ。おはなし会という一つの目的を達成するためには、ボランティア同士の意思疎通が大切で、これがうまくいかないと歯車がかみ合わないがごとく、ただ事柄をこなすだけのつまらない活動になってしまう。彼女たちを見て思うのは、準備する過程で個々のメンバーの存在を認識して、尊重して、その上で自分の出来得ること、つまり能力を発揮しているということ。言い換えれば皆で協力して自分自身が楽しんでいるということ。太田さんは「一緒に遊んでいる感覚」と言い、大久保さんは「一つのものを皆で創り上げる楽しさを知った」と言う。

厚生労働省のホームページに「ボランティア活動は個人の自発的な意思に基づく自主的な活動であり、活動者個人の自己実現への欲求や社会参加意欲が充足される・・・」とある。私はこの『活動者個人の自己実現への欲求』という文言に注目したい。自己実現とは何かということになるけれど、人は誰でも、世の中の役に立ちたい、自分を活かしたいという願いを潜在的に持っていると思う。そういう願いを活かすことが人としての生きがいにつながる、つまり自己実現なのだ。太田さんは「最初は、わが子が在校する間までの図書ボランティアと思っていたけれど、良い仲間たちに恵まれたおかげで、ずっと続けたいと思うようになった」と言う。人としての生きがいを感じる活動、それがボランティア活動なのだ。

座談会後半は、小松市が取り組んでいる未来型図書館づくりについて事務局からスライドを使って説明してもらった。3 人とも興味深げに見入っていたが、新しい図書館についてイメージが湧いただろうか。内藤さんはこの座談会の企画をきっかけに、市内に新しい図書館ができることを知り、インターネットで各地の魅力的な図書館を調べたそうだ。

未来型図書館の取り組みについて熱心に説明を聞く3人

図書館のあり方や可能性を考えるという点で、座談会最後に話した太田さんのエピソードが印象的だった。それは昨年オープンしたばかりの県立図書館へ行った時に、館内で子どもが大声で走り回る様子を注意する職員に目が行ったそう。図書館は静かに本を読むところという従来の常識からすればあり得る光景だが、そうなると幼い子どもをもつ親にとって敷居が高くなる。幼児にも高齢者にもやさしい施設はできないものだろうか。みんなで知恵を寄せ集めればクリアーできそうな気がする。市が掲げている「みんなでつくる未来型図書館」なら可能性は無限にある‼

【追記】
座談会に先立ってお願いしてあったのが、それぞれの好きな本を持参していただくこと。皆さん好きな本だけあって思い入れたっぷりの説明だった(笑)。

内藤さん 「あっぷっぷ-にらめっこあそび」
作:ポップス 画:タカダカズヤ 永岡書店
幼児の年齢毎に反応が違うのが面白いんです(談)
その他にも絵本やヤングアダルト図書など合計 7 冊も持参していただいた!

大久保さん 「にげてさがして」
作:ヨシタケシンスケ 赤ちゃんとママ社
人生を楽に肩の力を抜いて生きたい時に読み返します(談)

太田さん 「ちいさなおうち」
作:太田紡 娘の作った愛しい絵本
「60兆個の細胞」文:谷口淑子 画:山内晃世 仲間の想いが詰まった大型手作り絵本

愛娘の手作り絵本 !

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